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ネジ・ボルトの典型トラブル7選|緩み・破断・かじりの原因と対処法を専門商社が解説

監修:山下 朋幸代表取締役
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こんな方に役立つ記事です

現場で「またネジが緩んだ」「ボルトが折れた」を繰り返している方
設備保全・整備担当でトラブルの根本原因を知りたい方
設計者で選定段階からトラブルを防ぎたい

結論:3秒でわかるトラブル早見表

症状主な原因即効性のある対処
緩む振動・締め付け不足ばね座金+ロック剤
折れる(破断)締めすぎ・疲労・水素脆性強度区分UP・規定トルク順守
かじる(焼付き)SUS同士の摩擦熱潤滑剤+ゆっくり締める
錆びる屋外湿気・薬品環境SUS304→SUS316・電食対策
ねじ山がつぶれる工具・下穴ミスヘリサート再生
噛み合わない規格・ピッチ違い規格再確認
頭がなめる工具不一致・過大トルクエキストラクター抜き取り
💡 ネジトラブルの8割は「選定段階の見落とし」と「運用ミス」。下記の対処と予防策で大半が防げます。

① 緩み(自然脱落)

最も多いトラブル。気づいた時には部品が外れて落下していることも。

原因

振動・繰り返し荷重(自動車・モーター・搬送設備)
締め付け不足
座面の沈み(柔らかい被締結物)
熱膨張・収縮の繰り返し

対処と予防

ばね座金・歯付き座金を入れる
ロック剤(ねじロック・スリーボンド等)を塗布
ダブルナット運用にする
フランジナット・ナイロンインサート付きロックナットに変更
重要部位はハードロックナット(永久緩み止め)

→ 詳しくは ネジが緩む原因と対策 もご参照ください。

② 破断(千切れ)

突然ボルトが折れる現象。機械停止・人身事故につながる重大トラブル。

原因

過大な締め付けトルク(オーバートルク)
繰り返し疲労(フランジ等の振動部位)
水素脆性(高強度ボルト+電気めっきの組合せで発生)
設計強度不足

対処と予防

トルクレンチで規定トルクを順守
強度区分を1ランク上げる(8.8 → 10.9)
高耐疲労ボルトに変更(高荷重・振動部)
高強度ボルト+めっき品はベーキング処理済を選ぶ
設計時に安全率2倍以上を確保

→ 詳しくは 締め付けトルク完全ガイド もご参照ください。

③ かじり(焼き付き・ガリング)

SUSネジで頻発する厄介な現象。取り外せなくなることも。

原因

ステンレス同士の摩擦熱で表面が溶着
高速電動工具での急速締め付け
締め付け面の汚れ・キズ

対処と予防

二硫化モリブデングリスまたは銅グリスを塗布
ゆっくり締める(手締めまたは低速電動)
異種金属の組合せ(SUS304ボルト+SUS316ナット等)
かじり防止コーティングボルト(特殊表面処理)を使う

④ 錆び・腐食

特に屋外・湿気・薬品環境で発生。強度低下と脱落につながる。

原因

屋外・湿気環境での炭素鋼使用
SUS304使用時の塩素環境(塩害・温泉・薬品)
異種金属接触による電食
表面処理の劣化・剥離

対処と予防

屋内・乾燥 → 炭素鋼+三価クロメート
屋外 → SUS304 または 溶融亜鉛めっき
海岸近く・薬品 → SUS316
電食対策:絶縁ワッシャ・同一材質で統一
自動車向けは亜鉛フレーク(ジオメット・ダクロ)

→ 詳しくは ネジの材質の選び方 もご参照ください。

⑤ ねじ山つぶれ・なめ

母材のねじ穴(めねじ)が傷む現象。修復に時間とコストがかかる

原因

不適切な下穴径(小さすぎる/大きすぎる)
締め過ぎ
工具不一致・斜め入り
何度も着脱した穴の摩耗

対処と予防

下穴径を規格通りに(M6なら下穴 5.0mm)
タップでねじ山を整える
損傷した穴は ヘリサート(コイル状リコイル) で再生
重要箇所は最初からインサートナットを入れておく

→ 詳しくは タップ加工と下穴径ガイド もご参照ください。

⑥ 締まらない・噛み合わない

組立の時に「あれ?合わない」となる現象。規格混用が主因

原因

ミリ・インチ規格の混用(M10 vs 3/8)
並目・細目の混用(M10並目1.5 vs M10細目1.25)
異物混入(切削油・粉塵)
製造誤差(特に格安輸入品)

対処と予防

図面で規格を必ず確認
「M」「UNC」「UNF」「BSW」表記を見極める
並目・細目はピッチをノギスで確認
発注時に「M10×1.25」のようにピッチを明示
ねじ穴はエアブローで清掃

→ 詳しくは メートルねじとインチねじの違い もご参照ください。

⑦ 頭部の六角穴がなめる

キャップスクリューで頻発。取り外し不能になる前に対処を。

原因

工具の精度不良(特に安価な六角レンチ)
過大トルク
工具の摩耗
長年の使用での角の丸まり

対処と予防

正規寸法の六角レンチを使用(PB Swiss・Wera・HOZAN推奨)
締め付け方向は工具をしっかり奥まで挿入
取り外し頻度が高い箇所はトルクス(ヘックスローブ)に変更
頑固ななめネジは 逆タップ・エキストラクターで抽出

トラブルを防ぐ「設計・運用 3つの基本」

基本① 設計段階で勝負を決める

規格・材質・強度区分を図面に明記
環境(屋内/屋外/薬品)から最適な材質を選ぶ
安全率を2倍以上確保

基本② 運用ルールを決める

トルクレンチを必ず使う
締め付け順序(フランジは対角順)を統一
初期なじみ後の 再締めを実施

基本③ 在庫管理で防ぐ

規格違い品を色分け・棚分け
古いボルトは廃棄ルールを設定
重要部位の予備ボルトを常備

よくある質問

Q. 緩み防止で「ロック剤」と「ばね座金」、どっちが効く?

A. ロック剤の方が確実です。ばね座金は実は緩み止め効果が限定的という研究もあります。重要部位はロック剤+ハードロックナットの組合せが最強。

Q. SUSのかじり、潤滑剤を塗らないとほぼ確実に起きる?

A. M10以上のSUSで電動工具を使う場合はほぼ確実にかじります。M6以下の手締めなら回避できることもありますが、保険として潤滑剤推奨。

Q. 折れたボルトが穴の中に残った…どうすれば?

A. 順番に試してください:

1.逆タップ・エキストラクターで抽出
2.ダメなら放電加工業者に依頼
3.最終手段は穴を埋めて開け直し

Q. 屋外の鉄ボルトが1年で錆び始めた、何が悪い?

A. 三価クロメートだけでは屋外1年が限界。溶融亜鉛めっきまたはSUS304に切り替えると10年以上もちます。

Q. ネジトラブルを根本的に減らしたい、何から始める?

A. まず「過去1年のトラブル一覧」を書き出し、共通点を探してください。多くは「強度区分が低い」「環境に合わない材質」「トルク管理してない」の3パターンに集約されます。

まとめ:トラブル予防の鉄則

緩み:ばね座金+ロック剤の組合せ
破断:トルク管理+強度区分の見直し
かじり:潤滑剤+ゆっくり締める
錆び:環境にあった材質を選ぶ
山つぶれ:下穴を規格通りに
噛み合わない:規格・ピッチを図面に明記
頭なめ:正規工具+トルクス採用

「ボルトが折れた」「SUSがかじった」「錆びて外れない」

こういった現場トラブルのご相談、三和ファスナーで日常的にお受けしています。原因究明 → 代替品提案 → 再発防止策まで一貫してサポートします。

お問い合わせ

📞 TEL: 052-432-4010(平日 8:30〜17:30)

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Reviewed by

山下 朋幸
山下 朋幸代表取締役

株式会社三和ファスナー創業者。2003年の創業以来、20年以上にわたりネジ・ボルト・ファスニング関連商品の販売と特殊切削加工に携わる。製造業・建設業向けの選定相談・トラブル対応を多数手掛ける名古屋エリアのファスニング専門家。

ボルト・ナット選定ステンレス・特殊鋼切削加工小ロット調達名古屋・愛知エリアの製造業ネットワーク

本記事は上記監修者の確認を経て公開しています。記載内容は一般的な情報であり、個別案件のご判断は必ず原典規格・図面に基づき、必要に応じて専門家にご相談ください。

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