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現場で起きるネジ・ボルトの典型トラブル7選と対処法

監修:山下 朋幸代表取締役

ネジトラブルは「想定外」ではなく「見落とし」

製造現場・建設現場で起きるネジ・ボルトのトラブルは、その多くが**選定段階の見落とし**や**運用上のミス**から起きています。本記事では、**現場で頻繁に起きる7つの典型トラブル**と対処法をまとめます。

1. 緩み(自然脱落)

**原因:** 振動・繰り返し荷重・座面の沈み・締め付け不足

対処:

ばね座金・歯付き座金を入れる
ロック剤(ねじロック)を塗布
ダブルナット運用にする
フランジナット・ナイロンナットに変更

2. 破断(千切れ)

**原因:** 過大な締め付けトルク・繰り返し疲労・水素脆性

対処:

トルクレンチで規定トルクを守る
強度区分を1ランク上げる(8.8 → 10.9)
高耐疲労ボルトに変更
高強度ボルト + めっきの組み合わせは**水素脆性**に注意(ベーキング処理品を選ぶ)

3. かじり(ガリ)

**原因:** ステンレス同士の摩擦熱で表面が溶着

対処:

ステンレス用**潤滑剤(モリブデングリス・銅グリス)**を塗布
ゆっくり締める(高速電動ドライバーを避ける)
異種金属の組み合わせ(SUS + 炭素鋼)に変更
専用の**かじり防止コーティング**ボルト

4. 錆び・腐食

**原因:** 屋外・湿気環境での炭素鋼使用、SUSの孔食

対処:

SUS304 → SUS316へグレードアップ
三価クロメート・ジオメット等の表面処理を選ぶ
異種金属接触による電食(アノード溶解)に注意

5. ねじ山つぶれ・カム抜け

**原因:** 不適切な工具・締め過ぎ・ねじ穴の精度不良

対処:

ねじ穴の下穴径を規格通りに(M6なら下穴φ5.0mm)
タップでねじ山を整える
損傷した穴には**ヘリサート(コイル状ねじ)** で再生

6. 締まらない・噛み合わない

**原因:** ミリ・インチ規格の混用、ピッチ違い、異物混入

対処:

規格を確認(M = メートル, UNC・UNF = インチ)
並目・細目を確認(M10並目 = 1.5、M10細目 = 1.25)
ねじ穴を清掃(切削油・粉塵を除去)

7. 頭部の六角穴がなめる

**原因:** 工具の精度不良、過大トルク、長年の使用

対処:

正規寸法の六角レンチを使う(特に米国・ドイツ製を推奨)
着脱頻度の高い箇所はキャップスクリュー → トルクスやヘックスローブに変更
頑固な場合:**逆タップ・エキストラクター**で抽出

トラブルを防ぐ「3つの基本」

1. **規格・材質・強度区分を図面で確認**してから発注

2. **トルクレンチで規定トルクを守る**

3. **環境(屋外・湿気・薬品)にあった材質**を選ぶ

三和ファスナーのトラブルサポート

「ボルトが折れた」「ステンレスがかじった」「錆びて外れない」――こういった現場トラブルのご相談、年間数百件お受けしています。原因究明から代替品提案まで、一貫してサポートします。

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山下 朋幸代表取締役

株式会社三和ファスナー創業者。2003年の創業以来、20年以上にわたりネジ・ボルト・ファスニング関連商品の販売と特殊切削加工に携わる。製造業・建設業向けの選定相談・トラブル対応を多数手掛ける名古屋エリアのファスニング専門家。

ボルト・ナット選定ステンレス・特殊鋼切削加工小ロット調達名古屋・愛知エリアの製造業ネットワーク

本記事は上記監修者の確認を経て公開しています。記載内容は一般的な情報であり、個別案件のご判断は必ず原典規格・図面に基づき、必要に応じて専門家にご相談ください。

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