こんな方に役立つ記事です
ネジの材質(素材)とは?基本を3秒で
ネジの材質(=素材)は、ネジ本体が何でできているかを示すものです。
材質によって強度・耐食性(錆びにくさ)・コスト・重量・耐熱性が大きく変わるため、用途に合った材質を選ぶことが「ネジが折れない・錆びない・コスト最適」の3拍子を実現する鍵です。
結論:3秒でわかる材質早見表
| 材質 | コスト | 強度 | 耐食性 | 代表的な用途 |
|---|---|---|---|---|
| 炭素鋼(鉄) | 安 | 高 | 低(要表面処理) | 一般機械・自動車・治具 |
| SUS304 | 中 | 中 | 高 | 食品機械・屋外・水回り |
| SUS316 | 中〜高 | 中 | 非常に高 | 海岸・薬品・医療 |
| チタン | 高 | 高 | 非常に高 | 航空・医療・ドローン |
| 真鍮 | 中 | 低 | 中 | 装飾・電気接点 |
| 樹脂(PEEK/POM) | 高 | 低 | 高(種類による) | 絶縁・耐薬品・軽量化 |
① 炭素鋼(鉄)— コストと強度のバランスが優秀
最もスタンダードな材質で、世の中のネジの大半が炭素鋼ベースです。安価で強度が高く、サイズ・形状のバリエーションも豊富です。
特徴
適した用途
一般機械部品・建設資材・治具・自動車部品(屋内・乾燥環境)
注意点
炭素鋼そのものは錆びやすいため、必ず表面処理が必要。表面処理が剥がれた箇所から急速に腐食が進むので、屋外・湿潤環境ではこまめな点検を。
② ステンレス鋼(SUS)— 耐食性が必要な現場の定番
「ステンレス=錆びない」のイメージが強いですが、正しくは「錆びにくい」素材です。塩分・薬品・異種金属との接触(電食)には弱い場面があります。
主なグレード
| グレード | 特徴 | 用途 |
|---|---|---|
| SUS304(A2-70 が代表) | 汎用ステンレスの定番 | 食品機械・厨房・水回り・屋外 |
| SUS316(A4 が代表) | モリブデン添加で塩化物耐性UP | 海岸近く・化学プラント・医療 |
| SUS410 | マルテンサイト系・焼入れ可能 | 刃物・耐摩耗部品 |
SUS304とSUS316の使い分け
注意点
SUS同士のネジ・ナットでは「かじり(焼き付き)」が起きやすいので、潤滑剤の使用や異種材質ナットの併用を推奨します。
③ チタン — 軽くて強い、最高級素材
軽量・高強度・高耐食性を兼ね備えたプレミアム素材。航空宇宙・医療・ドローン・自転車レース車両・F1などで採用が進んでいます。
特徴
適した用途
航空機・医療機器・ドローン・高級自転車・レーシングカー
注意点
「軽くしたい・錆びさせたくない」だけでチタンを選ぶのは過剰品質。SUS316L で十分な場面が多いので、本当に必要か検討してから採用しましょう。
④ 真鍮 — 装飾性・電気接点に強い
銅と亜鉛の合金。装飾性・電気伝導性・低摩擦性が特徴で、配管・電気部品・装飾用途で活躍します。
適した用途
水道金具・電気接点・装飾用ネジ・楽器の調整ネジ
注意点
強度は低めなので、構造材には不向き。屋外で長期使用すると緑青(ろくしょう)で見た目が変わります。
⑤ 樹脂(PEEK・POM・PP・ナイロン)— 絶縁・耐薬品・軽量化
金属では代替できない絶縁性・耐薬品性・軽量化が必要な場面で活躍。半導体製造装置・医療機器・分析装置でよく使われます。
主な種類
| 樹脂 | 耐熱 | 用途 |
|---|---|---|
| PEEK(ピーク) | 〜250℃ | 半導体・分析機器・医療 |
| POM(ジュラコン) | 〜100℃ | 絶縁・低摩擦 |
| PP | 〜90℃ | 薬品環境・水処理 |
| ナイロン | 〜80℃前後(品種により〜120℃) | 汎用樹脂・軽量化 |
注意点
材質選びの選定フロー(迷ったら順番に)
ステップ1:使用環境を決める
| 環境 | おすすめ材質 |
|---|---|
| 屋内・乾燥 | 炭素鋼+三価クロメート |
| 屋内・湿気あり | SUS304 または 炭素鋼+溶融亜鉛めっき |
| 屋外(降雨程度) | SUS304 |
| 屋外(海岸近く) | SUS316 |
| 薬品・化学プラント | SUS316L または PEEK樹脂 |
| 食品ライン | SUS304 / SUS316 / PEEK樹脂 |
| 絶縁が必要 | PEEK / POM樹脂 |
ステップ2:強度を決める
ステップ3:コストを最終調整
よくある質問(FAQ)
Q. 「ネジの材質」と「ネジの素材」は違うものですか?
A. 同じ意味です。日本語では「材質」「素材」どちらの呼び方も使われ、英語ではどちらも "material" になります。図面・カタログでは「材質」と書かれることが多く、一般的な会話では「素材」も使われます。
Q. ネジの素材は全部で何種類くらいありますか?
A. 一般的に流通しているネジの主要素材は 6種類:
特殊用途ではアルミ・銅・モリブデン・タングステンなども使われます。
Q. 一番よく使われるネジの材質は?
A. 炭素鋼(鉄)が圧倒的に多く、流通しているネジの大半を占めます。安価で強度が高く、表面処理(ユニクロ・三価クロメート・溶融亜鉛めっき・黒染め)で耐食性を付与できるためです。
Q. SUS304とSUS316、どっちが正解?
A. ほとんどの場面はSUS304で足ります。SUS316が必要なのは「海岸近く」「塩素系薬品」「医療用途」など塩分・薬品が絡む厳しい環境です。SUS316の価格はSUS304の1.5〜2倍程度(サイズ・時期で変動)です。
Q. 「ユニクロ」って何の材質?
A. ユニクロは材質ではなく表面処理です。「炭素鋼+ユニクロめっき(光沢クロメート)」のこと。最近は環境規制で三価クロメート系への移行が進んでいます。
Q. チタンを使うとどれくらい軽くなる?
A. 比重で比較すると 鉄:7.8 / SUS304:8.0 / チタン:4.5 / アルミ:2.7。チタンは鉄の約 60%の重さです。
Q. 樹脂ネジって本当に強度大丈夫?
A. PEEK・POMは金属の代替にはなりません。「軽い負荷で絶縁したい」「金属異物検知機に映したくない」など、明確な目的がある時だけ選んでください。
Q. ねじの材質を見分ける方法はありますか?
A. 簡易判定の方法は以下:
関連記事
まとめ:材質選びの基本
「うちの用途、どの材質が最適?」というご相談歓迎です
三和ファスナーでは、使用環境・荷重条件・コスト予算をお伝えいただければ、最適な材質+表面処理の組み合わせをご提案します。サンプル品からの規格特定もOK。
📞 052-432-4010(平日 8:30〜17:30)
💬 LINE:https://lin.ee/n76PNwk
この記事の監修

株式会社三和ファスナー創業者。2003年の創業以来、20年以上にわたりネジ・ボルト・ファスニング関連商品の販売と特殊切削加工に携わる。製造業・建設業向けの選定相談・トラブル対応を多数手掛ける名古屋エリアのファスニング専門家。
本記事は上記監修者の監修のもと作成しています。公開後の更新(数値の確認・表現の修正など)は、規格や公的資料をもとに編集担当が行っています。記載内容は一般的な情報であり、個別案件のご判断は必ず原典規格・図面に基づき、必要に応じて専門家にご相談ください。
このネジ、1個から手配できます
「ネジの素材・材質は6種類だけ覚えればOK|選び方早見表と見分け方【保存版】」に関するネジ・ボルトは、名古屋の三和ファスナーが1個から手配します。
型番がわからなくても、写真1枚から規格を特定。材質・サイズの選定や特殊品の製作もご相談ください。