ネジの世界にも"ゆるキャラ"がいる
ネジやボルトと聞くと「地味」「無骨」というイメージがあるかもしれません。でも、よーく見てください。輪っかがくるんと付いた「アイボルト」と、カタツムリそっくりの「でんでんボルト」。このふたり、見た目がやけに可愛いんです。
ところがどっこい、その可愛さに油断してはいけません。片方は重い機械を空へ吊り上げ、片方は建物じゅうの配管を黙々と支える――現場になくてはならない名脇役なのです。今日はこの2人の"ギャップ"を深掘りします。
アイボルト:機械の「持ち手」になる小さな英雄
どんなネジ?
アイボルトは、頭にリング(輪っか=eye=目)が付いたボルトです。重い機械・モーター・金型などにねじ込み、その輪にクレーンやチェーンブロックのフックを掛けて吊り上げるために使います。
たとえるなら、マグカップの取っ手。熱いカップも、取っ手があれば安全に持てますよね。アイボルトは、何百kgもある機械に"持ち手"を付けてあげる存在なんです。
可愛い見た目からの、この凄さ
手のひらサイズの小さな輪が、規格に応じて数十kg〜数トンもの重量を吊り上げます。工場で機械を据え付けるとき、トラックから降ろすとき、金型を交換するとき……アイボルトが無ければ、重量物の移動はそもそも成り立ちません。小さな体で、現場のいちばん危ない場面を任されているわけです。
でんでんボルト:配管を抱きとめるカタツムリ
どんなネジ?
でんでんボルトは、配管や電線管を壁・天井に固定する支持金具です。帯(バンド)でパイプを抱え込み、ねじで下地にしっかり留めます。電気工事の金属管・PF管の固定や、給排水・空調の配管支持など、建物のいたるところで使われています。
名前の由来は、その姿がでんでんむし(カタツムリ)に似ているからだと言われています(諸説あります)。くるんと丸まったバンドが、まさに殻を背負ったカタツムリ。現場の人がつけた愛称がそのまま定着した、なんとも微笑ましいネーミングです。
たとえるなら、赤ちゃんの抱っこ紐。パイプという"赤ちゃん"を、壁にぴたりと抱きとめて落とさない。それがでんでんボルトの仕事です。
可愛い見た目からの、この凄さ
ビルや工場の天井裏・壁の中には、電気の配管や水道管が縦横無尽に走っています。それらが落ちたり、振動でガタついたりしないよう、無数のでんでんボルトが黙々と支えています。普段は誰にも気づかれない。でも、もし全部のでんでんが消えたら、建物じゅうの配管が一斉に垂れ下がってしまう……まさに縁の下の力持ち。地震のときに配管の落下を防ぐ役割も担う、立派な"安全装置"なんです。
共通点:「可愛い顔して、安全を背負っている」
アイボルトもでんでんボルトも、主役の機械や配管の影で、安全をそっと支える脇役。でも、脇役だからこそ選定を間違えると危険です。
「小さいから」「安いから」と適当に選ばず、用途・荷重・環境に合ったものを選ぶのが鉄則です。重量物の吊り上げや、配管の支持は、ひとつ間違えれば大きな事故につながる場面。可愛い見た目に頼られる責任は、実はとても重いのです。
まとめ:見た目は可愛い、仕事は本気
地味で可愛い脇役にもちゃんと役割と物語がある――そう思って現場やビルを眺めると、ネジの世界がちょっと愛おしく見えてきませんか。
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株式会社三和ファスナー創業者。2003年の創業以来、20年以上にわたりネジ・ボルト・ファスニング関連商品の販売と特殊切削加工に携わる。製造業・建設業向けの選定相談・トラブル対応を多数手掛ける名古屋エリアのファスニング専門家。
本記事は上記監修者の確認を経て公開しています。記載内容は一般的な情報であり、個別案件のご判断は必ず原典規格・図面に基づき、必要に応じて専門家にご相談ください。
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