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雑談・コラム読了 6分

プラスネジとマイナスネジ、なぜ2種類あるの?|ドライバーとネジの面白い関係

監修:山下 朋幸(代表取締役)
プラスネジとマイナスネジ、なぜ2種類あるの?|ドライバーとネジの面白い関係のサムネイル

+と−、どうして2種類あるんだろう?

工具箱を開けると、たいてい「プラス(+)ドライバー」と「マイナス(−)ドライバー」の両方が入っています。

毎日のように使う道具ですが、ふと思いませんか?

「ネジの頭、なんでわざわざ2種類あるの? どっちかに統一すればいいのに」

実はこの2つ、生まれた時代も目的もまったく違うんです。今日は名古屋のネジ屋さんが、ネジの頭の面白い話をご紹介します🔧

マイナスネジ(−)は「ネジ界の大先輩」

まず古いのはマイナスネジ(正式には「すりわり付きねじ」)。頭に一本、溝が切ってあるだけのシンプルな形です。

なぜ生まれた?

理由はとにかく作るのが簡単だから。金属の頭にノコギリで一本切れ込みを入れるだけで完成します。手作業でネジを作っていた時代には、これが一番でした。

でも、弱点があった

ドライバーの先が左右にズレて滑りやすい
力を入れると外れて、材料に傷をつけがち
機械(電動ドライバー)で回すとまっすぐ入らない
😅 マイナスネジを電動ドライバーで回そうとして、先がツルッと滑った経験——ありませんか?あれがマイナスの弱点です。

プラスネジ(+)は「大量生産が生んだ発明」

そこで20世紀、自動車の大量生産が始まると、状況が変わります。流れ作業で、電動工具を使って、速く・正確に・たくさんネジを締めたい——マイナスネジでは追いつきません。

そこで1930年代のアメリカで実用化されたのがプラスネジ(十字穴ねじ)。「フィリップス」という名前で広まりました。

プラスネジのすごいところ

ドライバーの先が十字の中心に自然に吸い込まれる(セルフセンタリング)→ズレない
電動ドライバーと相性抜群→流れ作業で高速化
ある程度締まるとドライバーが「カムアウト(浮き上がって)」空回りしやすい形
💡 この「空回り」は、締めすぎてネジや材料を壊す前にドライバーが逃げる安全装置として意図された——とも言われます(設計意図には諸説あり)。なめやすさの原因にもなる、ちょっと痛し痒しな性質です。

じゃあ、なぜ今もマイナスが残ってるの?

「プラスの方が優秀なら、マイナスはいらないのでは?」と思いますよね。でも、マイナスには今でも活躍の場があります。

電気の端子・ブレーカー:溝にスッと入り、感電リスクの少ない作業がしやすい
時計・メガネなどの精密品:構造がシンプルで小型化しやすい
屋外・装飾用途:十字穴にゴミや錆が溜まりにくい
現場の「万能ツール」:マイナスドライバーは、こじ開け・かき出し・塗料缶のフタ開けまで大活躍😄

つまりどちらが優れているかではなく、適材適所。これがネジの奥深いところです。

おまけ:実は「プラス」にも種類がある

ここからは"通"の豆知識。同じ十字穴に見えても、日本のJIS規格の十字穴と海外のフィリップスは、実は微妙に形が違います。

合わないドライバーを使うと、カムアウトしやすく、ネジ頭をなめて(潰して)しまう原因に
さらに進化形として、ポジドライブ(Pozidriv)、星形のトルクス(ヘックスローブ)、六角穴(キャップボルト)など、用途に応じた頭がどんどん生まれています
🔧 「ネジがなめて外れない…」というトラブルの多くは、ネジとドライバーのサイズ・規格が合っていないのが原因。サイズの合ったドライバーを"垂直に・しっかり押し付けて"回すのがコツです。

まとめ

マイナス(−)=ネジの大先輩。作りやすくシンプル。今も精密・電気・現場で活躍
プラス(+)=大量生産時代の発明。電動工具と相性◎、強く回すと浮き上がる(カムアウト)性質も
どちらが上ではなく適材適所。さらにトルクスなど進化形も続々

何気なく使っている+と−のドライバー。その裏には、ものづくりの歴史と知恵が詰まっているんですね😊

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よくあるご質問

Q.プラスネジとマイナスネジは、どちらが先に生まれたのですか?

A.マイナスネジ(すりわり付きねじ)の方が古く、頭に溝を1本切るだけで作れるため、手作業でネジを作っていた時代から使われてきました。プラスネジ(十字穴付きねじ)は1930年代のアメリカで、自動車の大量生産に合わせて実用化されました。

Q.プラスドライバーが途中で浮いて空回りする(カムアウトする)のはなぜですか?

A.十字穴の溝が斜めになっているため、強く回すとドライバーが押し戻されて浮き上がります。これが「締めすぎを防ぐ安全装置として意図された」という説もありますが、設計意図には諸説あります。いずれにしても、浮かないよう「しっかり押して回す」のが基本です。

Q.プラスの方が便利なのに、なぜマイナスネジは今も使われているのですか?

A.電気の端子やブレーカー、時計・メガネなどの精密品、ゴミや錆が溜まりにくい屋外・装飾用途など、シンプルな形が活きる場面があるためです。どちらが上というより、適材適所で使い分けられています。

Q.ネジの頭がなめて(潰れて)しまうのを防ぐには?

A.多くはネジとドライバーのサイズ・規格が合っていないことが原因です。日本のJIS十字穴と海外のフィリップスでも形がわずかに違います。サイズの合ったドライバーを、垂直にしっかり押し付けて回すのがコツです。

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この記事の監修

山下 朋幸
山下 朋幸代表取締役

株式会社三和ファスナー創業者。2003年の創業以来、20年以上にわたりネジ・ボルト・ファスニング関連商品の販売と特殊切削加工に携わる。製造業・建設業向けの選定相談・トラブル対応を多数手掛ける名古屋エリアのファスニング専門家。

ボルト・ナット選定ステンレス・特殊鋼切削加工小ロット調達名古屋・愛知エリアの製造業ネットワーク

本記事は上記監修者の監修のもと作成しています。公開後の更新(数値の確認・表現の修正など)は、規格や公的資料をもとに編集担当が行っています。記載内容は一般的な情報であり、個別案件のご判断は必ず原典規格・図面に基づき、必要に応じて専門家にご相談ください。

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