キャップスクリューとは
キャップスクリュー(CAP) は正式には六角穴付きボルトと呼ばれ、ボルト頭部に六角形の穴があり、六角レンチ(アーレンキー) で締め付けるタイプのボルトです。
工作機械・治具・金型・自動車部品など、精密で頭部の出っ張りを抑えたい場面で多用される定番品です。
たとえるなら「鍵穴に鍵を差して回す」ボルト
普通の六角ボルトが「瓶のフタを外側から手で掴んで回す」イメージなのに対し、キャップスクリューは「鍵穴に鍵を差して回す」イメージ。頭の中の穴に六角レンチを差し込むので、回すための"掴みしろ"が外側に要りません。
この違いが効くのが、狭い場所。スパナを振り回すスペースが無くても、六角レンチなら真上やL字で回せます。さらに頭が円筒形でコンパクトなので、座ぐり穴に沈めて面一(つらいち)にしたり、部品をすき間なく隣接させたりできる——「省スペースの達人」、それがキャップスクリューです。
寸法早見表(M3〜M24)
JIS B 1176(六角穴付きボルト)の代表値です。六角レンチ対辺 s = 締めるのに必要な六角レンチのサイズです。
| 呼び径 | 並目ピッチ | 六角レンチ 対辺 s | 頭部径 D 約 | 頭部高さ k 約 |
|---|---|---|---|---|
| M3 | 0.5 | 2.5 | 5.5 | 3 |
| M4 | 0.7 | 3 | 7 | 4 |
| M5 | 0.8 | 4 | 8.5 | 5 |
| M6 | 1.0 | 5 | 10 | 6 |
| M8 | 1.25 | 6 | 13 | 8 |
| M10 | 1.5 | 8 | 16 | 10 |
| M12 | 1.75 | 10 | 18 | 12 |
| M16 | 2.0 | 14 | 24 | 16 |
| M20 | 2.5 | 17 | 30 | 20 |
| M24 | 3.0 | 19 | 36 | 24 |
(単位:mm。頭部高さ k はおおむね呼び径と同じになるのが目安)
一般的な規格
JIS と ISO は首下長さ・頭部寸法がほぼ一致しており、互換性は高いですが、細部で違いがあるため現物・図面確認が必須です。
強度区分の選び方
キャップスクリューでは強度区分の表記が刻印されています。
| 強度区分 | 引張強さ | 主な用途 |
|---|---|---|
| 8.8 | 800 N/mm² | 一般機械・装置 |
| 10.9 | 1000 N/mm² | 一般機械・治具 |
| 12.9 | 1200 N/mm² | 高負荷部・金型 |
機械装置の主要部 = 12.9 が業界の定番です。10.9は予算重視 or 軽負荷向け。ISO 898-1 では 12.9 が最上位区分で、これを超える強度が必要な場合は特殊規格扱いになります。
表面処理の選び方
黒染め(酸化皮膜)
工作機械・治具で最も一般的。艶消しの黒で見た目良し、軽度の防錆効果。屋内専用。
三価クロメート(白・黒)
環境規制対応の標準的な処理。屋内〜軽屋外まで使えます。
ジオメット・ダクロタイズド
自動車業界で標準的な高耐食処理。屋外・腐食環境に強い。
生地(無処理)
コストが最安だが錆びやすいため、出荷後すぐ使う or 屋内即組立用途のみ。
材質の選び方
注意点:六角穴のなめ・摩耗
キャップスクリューの六角穴は摩耗しやすい部分。安い汎用レンチで何度も着脱すると穴がなめて外せなくなることがあります。
対策:
三和ファスナーの取り扱い
三和ファスナーでは、M3〜M30のキャップスクリューを強度区分・表面処理・材質バリエーション豊富に在庫しています:
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お問い合わせ
よくあるご質問
Q.M6のキャップボルトには何mmの六角レンチを使いますか?
A.5mmの六角レンチ(アーレンキー)を使います。M5なら4mm、M8なら6mm、M10なら8mmです。サイズ別の一覧は本記事の寸法早見表をご覧ください。
Q.キャップスクリューと普通の六角ボルトの違いは何ですか?
A.六角ボルトは頭の「外側」をスパナで掴んで回すのに対し、キャップスクリューは頭の「六角穴」に六角レンチを差し込んで回します。頭が円筒形で出っ張りが小さく、座ぐり穴に沈めれば面一(つらいち)にでき、狭い場所や隣接した取り付けに向きます。
Q.キャップスクリューの強度区分はどれを選べばいいですか?
A.機械装置の主要部では12.9が業界の定番です。10.9は予算重視や軽負荷向け。ISO 898-1では12.9が最上位区分で、これを超える強度が必要な場合は特殊規格扱いになります。被締結部品やナット側の強度とのバランスも確認してください。
Q.六角穴がなめて(つぶれて)外せなくなったらどうすればいいですか?
A.まずは正規寸法の六角レンチをしっかり奥まで差して再挑戦。それでも回らない場合は、ねじ外し専用工具(エキストラクター・逆タップ)や、頭を掴むタイプの工具が有効です。予防には「正規寸法のレンチ」「締めすぎない」「ボールポイントは仮締めだけにする」が効きます。
Q.キャップスクリューの規格は何ですか?
A.JIS B 1176(六角穴付きボルト)、国際規格ではISO 4762(DIN 912と互換)です。首下長さ・頭部寸法はほぼ一致し互換性は高いですが、細部で違いがあるため発注時は図面・現物の確認が確実です。
この記事の監修

株式会社三和ファスナー創業者。2003年の創業以来、20年以上にわたりネジ・ボルト・ファスニング関連商品の販売と特殊切削加工に携わる。製造業・建設業向けの選定相談・トラブル対応を多数手掛ける名古屋エリアのファスニング専門家。
本記事は上記監修者の監修のもと作成しています。公開後の更新(数値の確認・表現の修正など)は、規格や公的資料をもとに編集担当が行っています。記載内容は一般的な情報であり、個別案件のご判断は必ず原典規格・図面に基づき、必要に応じて専門家にご相談ください。
このネジ、1個から手配できます
「キャップスクリュー(六角穴付きボルト)の寸法早見表・選び方完全ガイド【M3〜M24】」に関するネジ・ボルトは、名古屋の三和ファスナーが1個から手配します。
型番がわからなくても、写真1枚から規格を特定。材質・サイズの選定や特殊品の製作もご相談ください。