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原材料高騰・供給不安はネジにどう影響する?製造業バイヤーが備えるべき3つの対策

監修:山下 朋幸代表取締役
原材料高騰・供給不安はネジにどう影響する?製造業バイヤーが備えるべき3つの対策のサムネイル

こんな方に役立つ記事です

製造業の購買・調達担当者で、ネジの値上げ・納期遅延に困っている
工場の経営者で、原材料高騰の影響範囲を把握したい方
設計者で、素材選定のリスク分散を考えたい方

「ネジくらいなら大丈夫だろう」と思われがちですが、実はネジは多くの原材料リスクが集約される部品です。値上げ・納期遅延が起きてから慌てないよう、今知っておきたい構造をまとめます。

結論:3秒でわかる現状

原材料影響を受けるネジ直近の動向

|---|---|---|

ナフサ・原油樹脂ネジ(PEEK・POM・PP・ナイロン)価格高止まり、納期長期化
ニッケル・モリブデンSUS304・SUS316相場変動が大きい
チタンチタンネジ地政学リスクで供給制約
鉄鉱石・コークス鉄ネジ・高強度ボルト脱炭素対応コスト転嫁の動き
海上輸送輸入ネジ全般紅海問題等で納期長期化が継続

> 「鉄のネジでも、表面処理に使う薬品・塗料はナフサ系」。原材料リスクは想像以上に広く影響します。

① ナフサ・原油 → 樹脂ネジへの直撃

影響を受ける品目

PEEK(半導体・分析機器向け高機能樹脂)
POM(耐摩耗・絶縁用途)
PP(軽量・耐薬品)
ナイロン(汎用樹脂ネジ)

なぜ影響するのか

これらはすべて石油化学製品(ナフサ起点)から作られています。原油・ナフサ価格が上がると、メーカーは値上げか出荷制限で対応するしかありません。

過去の事例

2022年:ナフサ高騰でPEEK・POMが軒並み20〜30%値上げ
2024年:エンジニアリングプラスチックの納期が3ヶ月〜6ヶ月に長期化

対策のヒント

3ヶ月分以上の在庫を社内で持つ
複数メーカーで仕様確認しておく(メーカー切替時の検証期間を短縮)
設計段階で「樹脂じゃなくてもいい箇所」を洗い出す

② ニッケル・モリブデン → ステンレスネジへの影響

影響を受ける品目

SUS304(ニッケル8%含有)
SUS316(ニッケル12%+モリブデン2%含有)

なぜ影響するのか

SUSはニッケルとモリブデンの相場(LME=ロンドン金属取引所)に直結します。特にSUS316はモリブデン含有のため、ニッケル相場+モリブデン相場の二重の影響を受けます。

過去の事例

2022年3月:LMEニッケル取引一時停止事件(24時間で価格3倍)→ SUSネジ業界全体が大混乱
2023年〜2024年:インドネシアのニッケル輸出規制でSUS価格高止まり

対策のヒント

「どうしてもSUS316」という箇所以外はSUS304で十分な場合が多い
屋内・乾燥環境なら炭素鋼+三価クロメートで耐食性を確保し、コストを下げる
緊急時用の安全在庫品目を年1回見直す

③ チタン → 地政学リスク直撃

影響を受ける品目

チタンボルト(医療機器・航空・ドローン・自転車)

なぜ影響するのか

世界のチタンスポンジ生産はロシア・中国・日本に集中しています。地政学的な制約(輸出規制・国際情勢)で、調達難・価格高騰が起きやすい素材です。

過去の事例

2022年〜2024年:ロシア・ウクライナ情勢で航空・医療向けチタンが世界的に逼迫
2025年〜:軍事需要拡大により民生用が後回しになる傾向

対策のヒント

チタンが本当に必要か再検討(SUS316Lで代替できることもある)
ドローン等の軽量用途は炭素強化プラスチック(CFRP)製ネジも検討
採用時は素材証明書(ミルシート)の提出可否を確認

④ 鉄鋼 → 高強度ボルトへのじわじわ影響

影響を受ける品目

強度区分10.9・12.9の高強度ボルト
一般炭素鋼ボルト(M5以上)

なぜ影響するのか

鉄鋼業界は脱炭素(GX)対応コストが大きな構造変化です。鉄鉱石・コークスの値段だけでなく、製造プロセスを変えるための設備投資コストが製品価格に反映され始めています。

影響の出方

中国・韓国・日本の高炉メーカーが水素還元製鉄に投資中
「グリーン鋼材」と「在来鋼材」の二重価格が出始めている
自動車・建設向け高強度ボルトは2026〜2027年が値上げ局面

対策のヒント

年単位の発注計画を仕入先と共有し、ロット予約
海外調達品は為替リスクも考慮して国産品との比較を年1回実施

⑤ 意外な盲点:表面処理・薬品・輸送コスト

ネジ本体だけでなく、以下の周辺コストも上がっています。

項目影響源影響度

|---|---|---|

塗料・防錆油ナフサ系溶剤
クロムめっき薬品化成処理薬剤コスト
段ボール・梱包材パルプ価格・輸送費小〜中
海上輸送費紅海問題・燃料費大(輸入品の場合)
国内配送費燃料費・人件費

「ネジ単価は変わらないけど、諸経費を含めた総コストは上がっている」というケースが増えています。

製造業バイヤーが今やるべき3つの対策

対策1:使用量上位TOP10品目だけは「3ヶ月在庫」

全品目を在庫すると倉庫コストが膨らみます。使用量上位10品目だけを抽出し、3ヶ月分の安全在庫を確保するのが現実的。

対策2:代替品の事前検証

SUS316 → SUS304 で性能が満たせる箇所はないか
チタン → SUS316L で代替できないか
樹脂ネジ → 金属ネジ+絶縁スリーブで代替できないか

今のうちに検証しておけば、次の供給不安が来たときに即切替できます。

対策3:信頼できる調達先を「2社以上」持つ

1社依存は最大のリスク。メイン仕入先+緊急時の専門商社の2系統を持つと、片方が止まっても困りません。専門商社は協力工場ネットワークがあるため、緊急時の代替手配に強みがあります。

まとめ

ナフサ・ニッケル・チタン・鉄鋼すべてがネジに影響する
樹脂・SUS・チタン・高強度ボルトそれぞれにリスク要因が異なる
周辺コスト(表面処理薬品・輸送費)も上昇傾向
対策は「TOP10在庫」「代替検証」「2社調達」の3点セット

---

「うちの調達品目で、どの素材がリスク高いか棚卸ししたい」とお考えなら

三和ファスナーでは、お客様の使用品目リストを拝見し、原材料リスク・代替案を一緒に整理する無料相談を行っています。名古屋・愛知エリアで20年以上、製造業100社以上のネジ調達をサポートしてきた経験から、現実的なアドバイスをご提供します。

📞 052-432-4010(平日 8:30〜17:30)

💬 LINE:https://lin.ee/n76PNwk

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Reviewed by

山下 朋幸
山下 朋幸代表取締役

株式会社三和ファスナー創業者。2003年の創業以来、20年以上にわたりネジ・ボルト・ファスニング関連商品の販売と特殊切削加工に携わる。製造業・建設業向けの選定相談・トラブル対応を多数手掛ける名古屋エリアのファスニング専門家。

ボルト・ナット選定ステンレス・特殊鋼切削加工小ロット調達名古屋・愛知エリアの製造業ネットワーク

本記事は上記監修者の確認を経て公開しています。記載内容は一般的な情報であり、個別案件のご判断は必ず原典規格・図面に基づき、必要に応じて専門家にご相談ください。

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